未経験OK! 完全天然成分100%の漆喰壁をDIY 後編
前編では
- 珪藻土と迷ったあげく、なぜ漆喰にしたのか?
- 壁塗りの素人夫婦がなぜ「ロハスウォール」の漆喰を選んだのか?
- 「ロハスウォール」での材料、道具の準備
について書きました。
後編では作業風景を写真で紹介したいと思います。
築40年の軽量鉄骨の庭付きの一軒家の中身をリフォーム
骨組みはしっかりしていました。
1Fはリビングを中心にキッチン、洗面所にトイレと風呂と玄関、廊下、自室
2Fは主寝室、子ども部屋、ファミリークローゼット
といった家族4人が住むにちょうど良い必要最低限のスペースを確保しました。
1Fはリビング、キッチン、洗面所
2Fは主寝室、子ども部屋の壁
計5部屋を「漆喰」で仕上げました。
全室全面に漆喰を塗ったわけではありません。部分的に構造用合板やタイル、ビニールクロスの壁もあります。
仕上がり、予算などから漆喰を塗る壁をどのくらいにするかを設計の段階から設計士の方と相談しました。
どれくらい買うの?
では、実際どれくらい漆喰を買えば良いのか?
なんでも教えてくれるロハスウォールに相談しましょう。
我が家の購入量は、履歴から計算すると
専用下塗り材 5箱
漆喰 5箱
24kg=18㎡(1箱) の専用下塗り材を5箱 96㎡分を購入
24kg=20㎡(1箱) の漆喰を5箱 100㎡分を購入
これもロハスウォールの方が親切に教えてくれました。
漆喰を塗りたい壁の面積、間取りを伝えるとロハスウォールの方が教えてくれます。
我が家は、最終的に「専用下塗り材」と「漆喰」を80㎡塗りました。
それぞれ1箱づつ余ったので郵送で返却。オケに少し残ったのでビニール袋に入れて補修用として保管。
なんで「専用下塗り材」と「漆喰」2種類塗るの?
簡単に言うと2度塗りです。以降説明します。
作業工程
- 養生
- ガードシーラーって何?
- ガードシーラーを塗る
- 専用下塗り材を塗る
- 本塗り・漆喰塗り
1.養生
ガードシーラー(アク止め剤)、 専用下塗り材、漆喰を塗る作業中、必ず塗材が付いて欲しくない所に、飛び散ったり、落ちたり、はねたりします。
ガラスやサッシ、照明器具、電源コンセント・スイッチ、床、幅木など
とにかく塗材がついて欲しくないところをマスキングテープやコロナマスカーで覆います。
養生さえしっかりできれば後は塗るだけ
今回の壁塗りで一番慎重に作業しました。
それだけ重要、かつ分かりにくく難易度が高い作業だと思います。
でも大丈夫!
ロハスウォールから送られてくる「施工マニュアル」で詳しく説明されています。
わからないことは相談すれば親切に教えてくれます。
幅木に塗材をつけたくないので「きわ」にマスキングテープを貼って塗りたくないところを隠します。
壁と幅木ギリギリのところまでマスキングテープを張ります。
写真ではわかりにくいのですが、マスキングテープを二重に貼ってます。
間にはコロナマスカーを貼ります。
テープの貼る順番がカギ
- マスキングテープ(壁から2mm〜3mm)本塗り・漆喰用マスキングテープ
- コロナマスカー(養生用ビニール付きテープ、1枚目のマスキングテープとほぼ同じ位置に上から貼ります)
- マスキングテープ(壁から1mm)専用下塗り材用マスキングテープです。
コロナマスカーとは
ビニールがクルクル巻かれたものが付いたテープです。
ビニール部分をスルスルと引っ張ると巻かれたビニールが出てきますので、出てきたテープで塗材がついてほしくないところを覆います。
この写真は右側の木の壁を養生(透明のビニールが覆って隠してる)しています。
左から、塗材を塗る壁から1mm隙間をあけてマスキングテープを貼ってます。
この一番上に貼られたマスキングテープは専用下塗り材を塗った後に剥がすテープです。
なぜ隙間1mmをあけるのかというと、「専用下塗り材」を塗った分の厚み分になります。
次に1mm隙間をあけて貼ったマスキングテープの下にコロナマスカーが貼られています。
よく見るとコロナマスカーの濃い緑のテープ部分から右に向かってビニールが広がってます。
このビニールで木の壁を覆って保護しています。
写真では隠れていますが、一番下に「本塗り・漆喰用」の2、3mm隙間をあけてマスキングテープが貼られています。
この2、3mmの隙間も「専用下塗り材」と同様「本塗り・漆喰用」を塗った分の厚み分になります。
どうでしょう?ご理解いただけましたか?
写真や説明が下手くそでごめんなさい。
どうしてもわからなかったらロハスウォールに相談!
この工程は非常にわかりにくく、また面倒くさいというか、、、
正直、僕もそれぞれのテープの役割を初めは理解できませんでした。
1回やってみると、「なるほど、そういうことか!」と理解できます。
不安な方は、面積の狭い簡単な場所での練習もアリですね。
ロハスウォールから届いた「施工マニュアル」に詳しく載っていますので参考にしてください。
我が家は奥さんが体験教室でしっかり教えてもらってたので、なんとかクリアしました。
まあ、わからない時はロハスウォールに相談です。
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施工マニュアル
その他・養生例1
養生例2
養生例3
電源コンセント、スイッチ周りはカバーを外して養生します。
黄色いマスキングテープの下は養生テープです。
2.ガードシーラって何?
ガードシーラーとはアク止め剤です。
ガードシーラーを塗るか?塗らないか?は、下地が何か?によって変わってきます。
ここ重要です!
新築の物件の場合
ほとんどが石膏ボードが下地に使用されているでしょう。
石膏ボードには基本ガードシーラーを塗る必要はありません
注)
防水用石膏ボードが下地に使用されている場合は、防水用の処理がされているためガードシーラーを塗る必要があります。キッチンやトイレなどの水場周りは要注意です。家の施工業者や工務店の方に必ず確認しましょう。我が家はキッチンの後ろの壁が防水用石膏ボードだったのでガードシーラーを2度塗りしました。
リフォーム・模様替えの場合
ベニヤや構造用合板、古い家では砂壁、繊維壁、京土壁などもあるでしょう。
これらの下地では必ずガードシーラーを塗る必要があります。
なぜなら、下地のアクが染み出てくるからです。
せっかく苦労して塗った漆喰に下地から、アクが染みだしてくるなんてことはどうしても避けたいところ
我が家の壁は
石膏ボード(プラスターボード)、構造用合板、ベニヤ板、既存のビニールクロスが壁の材料と使われていました。
石膏ボードでガードシーラーを塗るのは「防水用石膏ボード」だけ
一部キッチン後ろの壁が防水用の石膏ボードだったのでガードシーラーは塗りました。
それ以外の石膏ボード(プラスターボード)には一切ガードシーラーは塗っていません。
その他、構造用合板、ベニヤ板、ビニールビニールクロスの上にはガードシーラーを塗りました。
コンクリートやモルタル、ビニールクロス・布クロス・紙クロスの場合についてはロハスウォールから届いた「施工マニュアル」に載っていますので以下の写真を参考にしてください。
3.ガードシーラーを塗る
棚などにしっかり養生した後ガードシーラーを塗っているところ
重ね塗りが必要
ガードシーラーは重ね塗りが必要です。
下地が何かで変わってきますが、上の写真は防水用石膏ボードですのでガードシーラーを塗ってますね。2度塗りしました。
洗面所です。
写真は「専用下塗り材」を塗り終わったところ。
下地は構造用合板です。当然ガードシーラーを塗りました。構造用合板からアクが染み出てこないようにです。
構造用合板がむき出しになっているところは、鏡を貼る場所なので工務店さんに「ガードシーラーは塗らないように!」と言われていましたので塗っていません。
ボンドやコーキングで接着するのにガードシーラーが塗ってあると、うまくボンドなどが着かないからです。
ガードシーラーを塗る時のコツ
基本ガードシーラーは液体が乾燥すると膜をはった状態になります
その膜で下地から解け出したアクをブロックするイメージです
ベタベタと塗るのは良くないです。
一度サッと塗って乾燥させます。
季節にも寄りますが、我が家はストーブで部屋を暖めて作業したため、3〜4時間感覚で乾燥させて5回重ね塗りしました。
4.専用下塗り材を塗る
「専用下塗り材」「漆喰・本塗り」も作業工程は同じです。
なぜ「専用下塗り材」を塗るのかというと「平らな面をつくる」ためです。
ダンボールから「専用下塗り材」、「漆喰」をオケに出します
撹拌機でよく混ぜます
さあ、まずは目地埋めです
ビス止めしてるところやボードの継ぎ目の凸凹を「専用下塗り材」で埋めていきます。
右側、ボードの継ぎ目を「専用下塗り材」で埋めた上からファイバーテープをタッカー(工事用のホッチキス)で止めています。
ファイバーテープは漆喰が自重で重くなり、継ぎ目が重さで剥がれてくるのを繊維状のテープで止める役割をしてくれます。
狭いところは小さいミニコテで塗っていきます。
養生がしっかりできていれば、多少飛び散っても大丈夫。
乾燥
「専用下塗り材」が塗り終わったら1日(24時間)乾燥させます。
塗った直後はネズミ色ですがだんだん白くなっていきます。
真っ白になれば乾燥完了です。
完全に乾燥する前に前行程で貼ったマスキングテープ(1mmの隙間で一番最後に貼った一番上のマスキングテープ)を剥がします。
完全に乾いてしまってから剥がすと、専用下塗り材も一緒にくっついて剥がれてしまう恐れがあります。
5.本塗り・漆喰塗り
専用下塗り材が乾燥したのを確認したら、いよいよ漆喰を塗ります。
専用下塗り材で凸凹のない平面ができていると思いますので、想いのままの模様で好きなように塗りましょう。
我が家は、「専用下塗り材」も、「本塗り」も特に差をつけないで、ごく自然なコテの模様が出る感じに仕上げました。
いかがでしょうか?
職人さんが塗ったサンプルやwebサイトで見る均一で整った模様とはいきませんが、素人が初めて塗った壁としては我ながら良いできだと思います。
一度自分たちでやってしまうと、補修する際も要領がわかっているので、簡単に補修できると思います。
まとめ
漆喰壁の部屋で過ごしての感想ですが、どこか温もりがあります。
1軒屋で気密性は低いはずですが、暖房の温もりが逃げない保温性の高さをすぐに実感できます。
鉄板で肉やお好み焼き、鍋などを調理した際に、今までは次の日まで臭いが残っていましたが、漆喰壁では明らかに臭いが残ってないことが実感できます。
奥さんが喘息持ちですが、咳も減ったようです。
脱臭効果が効いてるのか?
化学的なものなのか?(VOC・揮発性有機化合物の吸着・分解)
自分たちで一生懸命作業した結果のプラシーボ効果的なのか?
1つ断言できるのはプラシーボ効果でも、気持ちの良い空間にいると、精神的にも穏やかに過ごせます。
メンテナンスが必要です
壁紙のように一度貼ってしまえば終わりではありません。
しかし、子どもたちが成長していくのと同じ、家も自分たちで育てていく感覚で家とともに成長していくプロセスが楽しめると思います。
手作りの空間に大満足!
全室とは言いません。家の中にどこか1部屋でも安らげる空間を作ってみてはどうでしょうか?
新築、リフォームを検討中の方は是非「呼吸する壁」で気持ちのイイ空間を作ってみてください。
参考までに
作業時間、予算は部屋の大きさ=塗る面の広さに比例します。
我が家は壁だけを塗りました。
当初は天井もやる予定でしたが、工期的に間に合わないので断念。
天井は難易度が上がります。
- ハシゴを登ったり降りたりの手間
- 塗材(漆喰)が壁から落ちやすいために作業がなかなか進まない
- 養生、目地埋めが大変など
現在トイレの壁紙の仕上がりに満足していないので、天井含め全面漆喰を塗ることを検討中です。
その時はまたブログに書きたいと思います。
ここでは充分説明できてない部分も他にあります。
- 塗る時の室温・気温が低いと白華現象により塗材が硬くなり過ぎてヒビ割れする
- 作業中、道具を頻繁に洗いながら塗らないと盛り板やコテの塗材が固まってしまい、それを壁につけるとムラの原因になる
など
とにかくわからないことは何でも「ロハスウォール」に質問しましょう!
読んでいただいた方へ
ありがとうございました。
Kai Hajime